人間関係を滑らかにする『言葉』のおけいこ

お問合せはこちら

受けられない時には留守番電話に繋がります。 留守番電話にメッセージを残していただくと速やかに折り返しさせて頂きます。
※恐れ入りますが、メッセージがない方への折り返しは松本のタイミングになります事をご了承いただければと思います。

ブログ

連載「人間関係を滑らかにする『言葉』のおけいこ」第3回

2020/04/17

Lesson3 でも・・・

現実は優しいばかりではないからこそ、自分にかける言葉を優しくすることがあなたの助けになる、今回はそんなお話の言葉のおけいこです。よろしくお願いいたします!

自己評価に関する言葉

さて、自己評価を行う際、あなたはどんな言葉を使っていますか?

 

 

資格取得や昇進、転職のための試験や面接など、人生の岐路となるチャレンジに限らず、人は日常的に様々なチャレンジをしています。そんな自分への自己評価に関する言葉は、自己肯定感、自分への信頼の基礎になります。しかし、周囲から「よくやっていたよ」「頑張ったね」といった言葉をかけてもらっても、素直にその言葉を採用し、自己評価を高めることができる時ばかりではありません。

 

 

自分は、自分が準備をどれだけ頑張ったのか、当日その場でどこまでやりきったのか、そのすべてを正確に知っています。しかし、実は自分の頑張りを認める気持ちを自覚していても、それをそのまま、対外的にはもちろん、自分自身に向かってですら言葉にすることを苦手としていたり、抵抗を覚えていたりする方に会うことは珍しくありません。

 

 

人がまっすぐに自分を労い、承認することが難しい理由としては、照れくささもあるでしょうし、予防線を張る意味でうまくできなかった自分を用意しておきたい場合もあるでしょう。また、「自分が調子に乗ったり、傲慢になったり、勘違いしたりしてしまうのではないか」といった不安を口にする人もいます。

 

 

 

「でも」が及ぼす影響

自己評価についてのの対話で登場する言葉に『でも』があります。

 

 

例えば「精いっぱい頑張りました!でも、あれができなかったし、点数も思うほど伸びなかった…」「患者さんに喜んでもらえた!でも、もっとこうできたらよかったのに…。○○さんのようにはできなかった…」という感じです。

 

 

心の奥では、「よく頑張った」と言って労い承認してあげたい気持ちはあるけれど、その言葉をかけられた自分のその先について不安があり、検討の結果、自分を思うからこそ自分に対する評価、かける言葉を厳しめにしておこう。そんな自分への思いからの言葉が、もしかしたら自分を委縮させ、結果、自分への不安をさらに募らせてしまっているとしたら…。

 

 

自分からの「よく頑張ったね」を聴けた自分は、自分自身に頑張りを認めてもらえたことにホッとし、かけた時間や労力、当日に至るまでにあったいろいろなことなど、すべてにおいて報われた気持ちになると思います。ところが、そんな気持ちを味わえたのもつかの間、次の瞬間「でも」から先の厳しめ目線の比較・評価の言葉を耳にする。一度気持ちが上がったあとの落下は、受けるダメージを大きくします。これを自分に繰り返していると、ダメージを軽減する防御策として用心深さを増し、自分からの労いや承認の言葉をキャッチした瞬間に身構える(言葉が聴こえづらくなる)ということも起こり得ます。

 

 

これは、自分からの言葉だけに起こる反応ではなく、他者からかけられる言葉に対しても同様で、誰からの承認も受け取りづらくなった自分は、成功も失敗も正しく振り返ることが難しくなり、経験を未来に生かしづらくなるのです。

 

 

そうなると、自分の成長は緩やかになり、そんな自分に自分は焦りや不安を覚え、「自分に厳しく」の力がさらに強まり、自分をいっそう委縮させてしまいます。

 

 

もしかしたら『でも』の先でそんなことが起きているかもしれません。

 

 

ちなみに、人とのやり取りで、「あの時どうすればよかったのか、何かアドバイスしていただけることはありますか?」「そうだね。じゃ、次回は○○してみたら?」「(間髪入れずに)でも…」といったやり取りを経験されたことはありますか?

 

 

このように間髪入れずに出る「でも」も、そうではない「でも」も、考えて使うというよりは、癖になり、パターン化しているだけということもあるでしょう。このような時は、「気づく→止める→必要に応じて謝罪し、先の自分の言葉を取り下げ、新たに言葉を選びなおして伝える」というプロセスをトレーニングしていくことで変えることが可能です。

 

「でも」を「そして」に置き換える

『でも』の先に起こっているかもしれないことを想像してみて、どんなことを感じましたか?「悲しみや残念さを覚えた」「力を奪われる感じがする」などと感じた人でかつ、こうして自分の言葉で自分の力が奪われることを「できればやめたい!」そう思った人は、「でも」を「そして」に置き換えてみませんか?

 

 

例えば、「精いっぱい頑張った!そして、あれができなかったし、点数も思うほど伸びなかった」となるのですが、「頑張った自分」と「できなかったこと、自分の想定とは違っていたことがある(あった)」ことに、文章が大きく二つに別れることが分かりますか?

 

 

1.自分を労い承認する言葉」

2.経験を未来への糧とするための振り返りの言葉

 

 

を「分けて伝える力」は、言葉の力を高めるプロセスで非常に役立ちます。

 

 

 

自分に優しい言葉選びを

自分に優しい言葉を使うことは、決して自分を甘やかすことではありません。現実とは、常に自分に優しいわけでも都合がよくもありません。誰かと人生を入れ替えることもできないし、誰も責任を取ってはくれません。自分の人生は、自分でどうにかするしかないのです。

 

 

となれば、痛くつらい経験ほどスピーディーに糧として未来の自分に生かし、二度と同じ思いをさせない策を講じてあげたいと思いませんか? そのために、自分にとって厳しいことや難しいことにも向き合える自分であれることが、あなたの助けになります。

 

 

「経験を解釈する自分の言葉は自分を傷つけ貶めるためではないことをまずは自分が理解する」という目的だならば、自分に優しい言葉選びをしてあげられそうですか?

 

次回は「いちいち」についてお話します。

今日もご安全に!

 

 

 

この記事の掲載誌はこちら